説明
タイ北部にあるメーチャムという村の祭りに出かけた時に、カレン族の家族と知り合いました。彼らは近くの山中にある小さな村で、手織りの仕事をしていました。
タイにいるカレン族はその多くがミャンマーから逃れてきた人びとです。彼らの小さな村にも竹と板材で作られたおそろしく簡素な、穀物倉と間違えそうなキリスト教会がありました。その上私が知り合った家族の長老は片言の中国語が話せました。聞けば中国からミャンマーを経由してタイへ逃れてきたとのこと。こういう人の流れはインドシナ全体で見られることです。
カレン族の織機は幅の狭い生地を織るもので、日本で普通サイズである90cm幅などはとても織れません。幅狭の生地を接いで服に仕立てるのが彼らのスタイルです。
家の中には接ぎ合わせてハンドステッチの飾りを入れたサロン、巻きスカートにする筒状のものがたくさん積まれていました。抱えてしまった在庫のようです。どうやら注文数を間違えたか、あるいは出来上がってから話が変わってしまったのか、とにかくその一家はとても困っていたのでした。
こうしてこの布は私の手元に来ることになりましたが、サロンとしては販売するに難しく、数年眠らせてしまいました。
ようやく、かばんにしようと思い立ち、この1点が生まれました。
ストライプの部分は少し厚手、太目の糸をかっちり織り上げた生地、茶色の部分はそれより少し薄手の生地です。どちらも草木染め、手織り。接ぎ合わせた部分にはハンドステッチ。この部分を生かしたくて、最もシンプルなこの形になりました。
裏側に外ポケットがあります。
ショルダーベルトも同じ生地、裏の白ももともとサロンのトップ部分に使われていたものを使っています。
ボタンはインド製のらくだの骨ボタン。
裏布はタイの木綿、おとなしめの黄色で、ポケットが付いています。
どの糸、布も、インドシナの大地で作られています。山の恵みと、深い森の恵みに満ちた土地が産んだものたち。特にカレン族の村は深い山間にひっそりとあったので、「山暮らしのかばん」と名付けました。
かばんの斜めがけは、山暮らし、森暮らし、そして旅暮らしの基本スタイルです。私がいちばん好きで、いちばん便利だと思う形を作りました。こんなかばんを肩からかけて森からふらっと歩み出てくるのが、メコン沿いの彼らであっても、日本にいる私であっても、どちらでもいいなと思えるものになりました。
都会でもきっと・・・、大丈夫。
サイズ
上辺で横32センチ 底のみマチが4センチ
タテは上辺から底まで27.5センチ(マチ含む)
ベルト長さ 110センチ
女性にちょうどよい長さだと思います。
※ 実店舗、また他のクラフトマーケットでも同じものを展示販売しております。このため、売り切れの表示が間に合わないことがございますので、どうぞご了承くださいませ。
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