説明
タイの手織り木綿生地でシンプルなギャザースカートを作りました。
この生地はタイ北部チェンマイ近郊のジョムトンで十数年前に織られたものです。
ジョムトンはチェンマイからバスで2時間ほどの距離にある町です。大型バスの運転手さんに「ジョムトンの美しい竹の村に行きたい」と告げると、近くで下ろしてあげるよと言ってもらえ、実際にすぐ近くで停めてくれました。「美しい竹の村」は1つの村で綿花の生産から最終的に布にするまでを行う場所で、バスが走る道からそこまでは両側がずっと竹林で風情がありました。
竹の村ではあまり生地を扱っておらず、そこを辞してバスの通りまで戻ると、「布工房」の小さな看板が立っており、案内されるまま集落の中へ入って行ってみました。すると織機3~5台の小さな工房が少なくとも2つあり、この生地はその片方で求めたものです。家族経営の小さな織り工房は、素朴なストライプや無地などを多く織っており、たくさん欲しかったのですが行き先が決まっているものが多く、そんな中でわけてもらえたのがこれでした。
残念ながらこの2つの工房は、その2年後に訪ねた時には廃業してしまっていました。その後その集落を訪ねたことはありません。
今でもジョムトンには大きな工場があり、布も織られていますが、この生地のように小さな工房でカタカタと織られていたようなものは、もうかなり少なくなっています。そのような生業が当たり前だった時期のものなので、生地も上質です。
落ち着いた淡い煉瓦色の濃淡の生地です。絣の手法も使われています。生地全体にハンドステッチのような織り模様が入っています。
できるだけ生地にハサミを入れたくないので、シンプルな長方形のギャザースカートにしました。ほどけば大きな1枚の布に戻ります。ポケット1つあります。
着丈 74センチ
ウエスト フリー
向井尚子 –
懐かしく温かい印象の優しい格子柄を見て素敵なスカートだと存じました。
生地自体を大切にされている様子がうかがえ、貴重な布をとても大切にされている御様子がよくわかります
ブログも拝見いたしました。日本の染織の源流はやはりアジアにあるのだととても興味深く感じました。
私ごとですが、実家には100年近くたっているであろう古い座布団だの布団だのがございます。これらは、亡母によれば地絹?という自家用?のものらしく(実家には養蚕室が残っています)、黄色と赤紫色の大きな格子だの、中央に大きな丸い絞り染めが配された紫紺の座布団(地絹)だの、紺や茶・緑等を組み合わせた縞や格子模様の布団(地絹・木綿)など、太い節のある糸を使った素朴な地絹製品や木綿製品が私の原体験です。こうしたものは、もはや作られることもなく、失われ行くのみなのは悲しい限りです。
このようなこともあり、その技法や柄が共通するアジアの染織に興味をもっておりました。
もっとも、店主様のような行動力はなく、日本でバティックを求めたり、インドの都会でパンジャビースーツを求めたりがせいぜいでしょうか。
このたび、このサイトをみつけて、優しい懐かしい柄ゆきのスカートが欲しいと存じました。別途サイズについてお問合せをいたしておりますので、ご教示のほどお願いします。
初川 ふたば –
コメントありがとうございます。
養蚕をされ、さらにはおそらく織りもされていたお家でお育ちになったのですね。現在の日本ではほとんど見ることがなくなったものに囲まれての暮らし、素敵ですね、憧れます。
私は日本ではそういった「古きよきもの」を知らずに育ちましたので、アジアでその分を補填しているのかもしれません。尤もそのアジアも、織りの文化はかなり存続が怪しくなりつつありますが・・・。
お問い合わせにつきましてはメールにてご返信さしあげました。
どうもありがとうございました。